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ORATSヒストリカルオプションデータ 必要性レポート

要約

Crisis Alpha戦略(市場急落時の保険機能)を研究・バックテストするには、 急落時のリアルbid/askスプレッドを含むヒストリカルオプションデータが不可欠。 現在の収集データ(Polygon Options Advanced、2025-12開始)では2022年ベア相場や 2024-08フラッシュクラッシュのデータが存在せず、研究に致命的なギャップがある。 ORATSはこのギャップを埋める最有力候補データソースである。


現状のデータギャップ

ライブデータアーカイブの収集状況

項目 現状
データソース Polygon Options Advanced API
収集開始日 2025年12月
収集銘柄数 約523銘柄(BACKTEST_SYMBOLSをカバー)
収集内容 bid/ask/IV/Greeks(15分間隔スナップショット)
致命的なギャップ 2022年ベア相場・2024-08フラッシュクラッシュのデータなし

なぜ急落時のデータが必要か

Crisis Alpha戦略(将来の保険機能)は以下を前提とする:

  1. VIXスパイク時のロングオプション価値向上 — 急落時にoオプションのIV(Implied Volatility)が急上昇し、買いポジションが利益を出す
  2. ロング/ショートのヘッジ効果 — Credit SpreadのMaxLoss(最大損失)を部分的に相殺
  3. 統計的な有効性 — バックテストで「急落時に保険が機能する」ことを数値で証明する必要がある

現在のライブデータアーカイブでは2025-12以前のデータがないため: - 2022年ベア相場(S&P 500 -19.4%)でのIV挙動が不明 - 2024-08フラッシュクラッシュ(VIX 65超)でのオプション価格変動が不明 - Crisis Alpha戦略のバックテストができない


ORATSが提供するもの

データ内容

フィールド 内容 Crisis Alpha研究への有用性
bid, ask オプションのbid/askスプレッド ★★★★★ スリッページ・実現可能性の検証に必須
iv Implied Volatility ★★★★★ IVスパイク検出・保険トリガーの設計に必須
delta, gamma, theta, vega ギリシャ文字 ★★★★☆ ポジションサイジングに有用
oi Open Interest ★★★☆☆ 流動性フィルタリングに有用
volume 日次出来高 ★★★☆☆ 執行可能性の検証に有用

利用可能な期間

  • ヒストリカル: 2007年〜現在(14年分以上、2008年リーマンショックを含む)
  • リアルタイム: オプションあり(現在はPolygon使用中のため不要)

ORATSの強み

  • End-of-Day(EOD)ヒストリカルデータ: 取引終値ベースのbid/ask記録
  • 全米上場銘柄対応: SPY, QQQ含む294銘柄以上
  • IV Surface: ストライク×DTE別のIV曲面(Volatility Smile)データ
  • EOD bid/ask: 約定可能な価格帯の記録

ORATSで何が可能になるか

1. Crisis Alpha バックテスト

研究仮説:
XW_CR25_M98のMaxDraw期間(2024-08: -25.1%)において、
VIX >40 の条件でATM Straddle(ロング)を同時保有した場合、
ドローダウンを何%削減できるか?
  • 2024-08フラッシュクラッシュ(VIX 65)のbid/askデータで Straddleの実際の取得コストと利益を計算可能
  • 「理論上の利益」ではなく「市場で実際に執行できる価格」で検証可能

2. 2022年ベア相場での戦略検証

XW_CR25_M98は2022年データを含む長期バックテストで-23.6%(最大)のドローダウンを記録。 この期間のオプション価格データがあれば: - 2022年のVolatility Crushがどの程度Crisis Alphaの利益を圧迫したか - Bear Market長期化時(数ヶ月)の保険コストが許容範囲か - Iron Condor(Delta Neutral)戦略の実行可能性

3. Sunacchan Spear の火力分析

Sunacchan SpearはDAY BT(日足)では発火しない(エントリー条件が厳しすぎる)が、 イントラデイのオプション価格があれば: - ギャップアップ/ダウン後の即時エントリーコストの検証 - PEAD(Post-Earnings Announcement Drift)戦略の評価

4. Spear PARTIAL_PROFIT 設定の長期BT検証

2026-03-06 追記: 単一イベント依存リスク

PARTIAL_PROFIT無効化(partial_profit_pct=999)が25ヶ月BTで+21%優位という 結果が出たが、再検証の結果、その差異の大部分は2024-08 VIXスパイク1ヶ月に集中していることが判明。

期間 PD_off vs PD_0d の差
全25ヶ月 +21.1%
2024-08 を除いた24ヶ月 +1.4%(統計的に無意味)

PT変更判断には7年以上のBT、または複数のVIXスパイク期間を含む検証が必要。

ORATSの2007〜現在データを使えば:

  • 2008年リーマンショック(VIX 89)
  • 2011年欧州債務危機(VIX 48)
  • 2018年VIXmageddon(VIX 50)
  • 2020年COVID(VIX 85)
  • 2022年ベア相場(継続的な高VIX)
  • 2024-08フラッシュクラッシュ(VIX 65)

複数のVIXスパイクイベントにまたがった検証が可能になり、 「PARTIAL_PROFIT無効化がn=1の偶然か、構造的な優位性か」を判断できる。


EODデータで十分か?1分足が必要か?

結論: AEGIS全体のBTにNear EODで十分(2026-03-14 確定)

XW_CR25_M98のBT信頼性検証にもEODで十分

「BTの結果が十分正確で、PTも安心できる」レベルのBTを目指す上で、 Near EODデータ(引け14分前スナップショット)で必要十分。

なぜEODで十分か:

AEGISのバックテストエンジンは日足モデル(1日1スナップショット)で動作している。 エントリー/エグジットは「その日のbid/ask mid」で計算されるため、 ORATSのNear EOD(引け14分前)スナップショットとBTの約定モデルがほぼ一致する。

検証項目 EODデータで検証可能か 備考
戦略のエッジ(CR≥25%が長期で機能するか) Walk-Forward 2007-2026で検証
VIXスパイク時のDD(2020/2022/2024-08) 実bid/askでDD深度を確認
短DTEオプションの流動性 OI/volume/スプレッド幅で確認
QuantDataとのデータ整合性 重複期間で突き合わせ
イントラデイのスリッページ EODでは見えない
指値が刺さるまでの待ち時間 EODでは見えない

「BT正確」と「PT安心」の境界

AEGISのPTは指値注文でエントリーする。「引け14分前のmid」と「実際にfillされる価格」の 差は、EODでも1min足でも原理的にBTでは再現しきれない。

  • EODで19年Walk-Forwardやれば「戦略のエッジは本物か」は判断できる → BTの最大価値
  • PTでの執行品質は、PT実績データ自体が唯一の情報源 → BTでは原理的に再現不可

つまり、1min Intradayを買っても「PTの安心度」は大きくは変わらない。 EODで戦略の長期有効性を確認し、PTの実績で執行品質を検証する — この2段構えが正解。

Crisis AlphaのBTも同じ粒度で設計するため、EODデータで概念的な有効性を検証できる。

BT日足サイクル:
  9:31 ET  相場開始
  16:00 ET  クローズ価格で評価(= EOD)
  翌日に次のエントリー判断

EODデータがあれば:

  • 「VIX > 40 の翌朝にストラドルを買う」コストが計算できる
  • 翌日以降の価値変化が追跡できる
  • 「N日後にクローズ」した場合の損益が計算できる

1分足が必要になるケース(限定的・Phase 2)

シナリオ 判定 理由
VIXスパイク翌日にエントリーするCrisis Alpha EODで十分 日足モデルと整合
2022年ベア相場での保険コスト分析 EODで十分 緩やかな下落で日足精度が高い
2024-08-05フラッシュクラッシュの瞬間を捉える 1分足が必要 VIX 65はイントラデイ瞬間値。EOD終値は~38に戻っている
急騰/急落日のbid/askスプレッド精度 1分足が有利 クラッシュ中はスプレッドが10倍以上に広がる
PEAD(決算翌日ギャップ後エントリー) 1分足が必要 イントラデイタイミング依存

2024-08-05の注意点

フラッシュクラッシュ当日(VIX 65)は、EOD価格では急落の「深さ」を過小評価する。 ただし「翌日以降に保険ポジションを建てる」設計であればEODで問題ない。 「クラッシュ当日に瞬時に反応する」設計が必要な場合のみ1分足が必要。

段階的アプローチ

Phase 1(今すぐ): ORATS EODで研究開始
  → 「保険が機能するか」の概念的な答えを出す
  → コスト低・実装簡単

Phase 2(有効性確認後): 1分足で精度向上
  → 2025-12以降のPolygon intraday optionsが1年以上蓄積された時点で活用
  → スリッページ精度の改善
  → 過学習リスクを考慮しながら追加検証

1分足での過学習リスクも考慮すると、まずEODで概念を確立してから精度向上に進む方が合理的。


コスト試算

ORATSの料金体系(2026-03-12 更新)

プラン 価格 内容
EODヒストリカル(一括購入) $599 (one-time) 全銘柄EOD bid/ask/IV/Greeks、2007年〜現在
EOD月次アップデート $99/月 一括購入後の差分更新
イントラデイヒストリカル $1,500 + S3ストレージ費 1分足bid/ask/IV、データ量に応じてS3費用発生
イントラデイ総コスト目安 $3,500〜5,000 $1,500 + S3費用(数TB規模のデータ転送・保管)

⚠️ S3ストレージ費はデータ量・保存期間に依存。全銘柄×数年分の1分足データは数TBに達する可能性がある。

ORATS OTTO問い合わせ結果 (2026-03-14)

OTTOチャットボット経由で確認済み

ORATSサイトのAIサポート「OTTO」に直接問い合わせて得た回答。 今後 support@orats.com への正式問い合わせ時の参考情報。

Near EOD — 確認済みフィールド一覧

フィールド カラム名 含まれる?
Bid/Ask価格 bid, ask
平滑化IV smvVol (ORATS独自SMV)
Delta delta
Gamma gamma
Theta theta
Vega vega
Rho, Phi rho, phi
OI openInterest
出来高 volume
原資産価格 stockPrice
理論値 cValue, pValue (SMVベース)
配当・金利 divRate, iRate

全36+フィールド。AEGISのBTに必要なbid/ask, IV, Greeks, OI, volume, underlying priceは全て含まれる。

smvVol について

ORATSの「Smoothed Market Value」は独自のIV平滑化手法。生のbid/ask IVに加え、 put-call parity・配当想定・residual yield rateでクリーニングされた理論値を提供。 PolygonのrawなIVより品質が高い。

Near EOD — 配信仕様

項目 内容
配信方法 FTP(ORATS側FTPサーバーにクレデンシャルでアクセス)
ファイル形式 CSV
更新タイミング 毎晩 ET 深夜0時
スナップショット時刻 引け14分前
ファイル構造 1日1ファイル(全5,000+銘柄・全ストライク・全限月を含む)
1日あたりサイズ 65MB(非圧縮)
ティッカー絞り込み 不可(全銘柄一括。DL後に自分でフィルタ)
履歴全量概算 65MB × ~4,500営業日(2007〜) ≒ 約290GB

1 Minute Intraday — 配信仕様

項目 内容
配信方法 AWS S3(ORATS側バケットからDL。自分のバケットへのpushは不可)
フィールド Near EODと同じフルセット(SMV Greeks, IV, 理論値)
ファイル構造 1分ごとに1ファイル(全5,000+銘柄のマーケットスナップショット)
ティッカー絞り込み 不可(全銘柄一括。DL後にフィルタ)
データ総量 ~50TB
S3転送費 $1,000〜2,000(別途)

自動パイプライン統合について

要件 対応
Near EOD 自動pull 自分でFTP pullスクリプトを組む(cronで毎晩DL可能)
Near EOD S3 auto-push 不可(エンタープライズ契約が必要)
Intraday S3 auto-push 不可(自分でDLする形式)

AEGISへの実装方針

Near EOD recurring ($99/月) のFTP自動pullは、簡単なcronスクリプトで実現可能:

# 毎朝JST 14:00 (= ET 00:00 + α) にFTP pull
# → CSV受信 → 500銘柄フィルタ → parquet変換 → AEGIS/data/ に配置

65MB/日のCSVなので、FTP pullは数秒〜十数秒で完了。 ティッカーフィルタ + parquet変換のETLパイプラインを1本組めばよい。


代替データソース比較

データソース EODコスト イントラデイ 強み 弱み
ORATS $599一括 + $99/月 $3,500〜5,000 最高品質、IV Surface完備 S3費用が不透明
ThetaData $30〜60/月 $100〜200/月 安価、ストリーミング対応 銘柄カバレッジに制限あり
Polygon(現在使用中) Options Advancedプラン内 同上 リアルタイム、API安定 2025-12以前のbid/askなし
Databento 従量課金 従量課金 高品質、柔軟な課金 全銘柄だと高コスト
CBOE DataShop $5,000〜 $10,000〜 公式データ 非常に高価

ORATSデータでBTの信頼性はどこまで上がるか

BT信頼性の主な懸念と対策

XW_CR25_M98の+20,000%超リターンの信頼性を以下の観点で分析:

懸念 ORATSで解決? 真の解決策
スリッページ・執行品質 ✅ 部分的 EOD bid/askで現実的な約定価格を検証可能
短DTEオプションの流動性 DTE 7-30帯のOI・volume・スプレッド幅を確認
VIXスパイク時のスプレッド拡大 2020/2022/2024-08の実bid/askで検証
過学習(カーブフィッティング) Walk-Forward分析が必要(下記参照)
サバイバーシップバイアス 上場廃止銘柄データの別途取得が必要
Tier 3-4銘柄の実執行可能性 ⚠️ 部分的 OI/volumeで確認可能だが、小型株の実約定は別問題
QuantDataのデータ品質 ORATSとの突き合わせでデータ整合性を検証

Walk-Forward分析(過学習検出の本命)

ORATSデータを使ったWalk-Forward分析がBT信頼性向上の最重要手法:

Step 1: In-Sample (2007-2019) でパラメータ最適化
Step 2: Out-of-Sample (2020-2023) で検証
Step 3: Live Validation (2024-2026) = 現行PT実績
Step 4: 各期間でSharp比・MaxDD・勝率が安定しているか確認
  • ORATSなしでは不可能: 現行BTは2019-2026の7年のみ。Walk-Forwardに必要な十分な期間がない
  • ORATSがあれば: 2007-2026の19年分でin-sample/out-of-sampleを分離可能
  • Monte Carloは補助: パラメータ感度の確認には有用だが、過学習の根本検出にはならない

現実的なクレジットスプレッド戦略のリターン

期待値の校正

Tastytrade研究やr/thetagangの実績では、クレジットスプレッド売り戦略の現実的な年間リターンは10〜30%。 AEGISの+20,000%超は以下の要因による可能性:

  1. 体系的な710+銘柄スキャン — 個人トレーダーはせいぜい5-10銘柄
  2. アグレッシブな資金効率 — 30%月次出金 + フルデプロイ複利
  3. 過学習 — 25ヶ月の好環境(2024-2026ブル相場)への最適化
  4. 上記の組み合わせ

ORATSの19年データでWalk-Forwardを実施し、「構造的優位性」と「過学習」を分離することが最優先。


推奨アクション

優先度:高(BT信頼性検証 — 最優先)

  1. ORATS EOD一括購入 ($599) — 19年分のヒストリカルデータでWalk-Forward分析を実施
  2. Walk-Forward分析の実装 — In-Sample (2007-2019) / Out-of-Sample (2020-2023) / Live (2024-2026)
  3. QuantDataとの突き合わせ — 重複期間(2019-2026)でデータ整合性を確認

優先度:中(Crisis Alpha研究)

  1. VIXスパイク時のオプション価格検証 — 2020 COVID / 2022ベア / 2024-08のbid/ask分析
  2. BTのVIX値検証 — BTで使用されているVIXデータ(parquetソース)が実際の市場VIXと一致しているか、ORATSのVIXヒストリカルデータと突き合わせて検証する
  3. 短DTEオプション品質確認 — DTE 7-30帯のスプレッド・OI・volumeを検証

優先度:低(Phase 2)

  1. イントラデイデータ ($3,500-5,000) — Walk-Forwardで有効性確認後に検討
  2. サバイバーシップバイアス対策 — 上場廃止銘柄の特定とデータ取得

現在のライブ収集との関係

現在のPolygon Options Advancedによるライブ収集(2025-12〜)は:

  • リアルタイム運用(PT): 十分(bid/ask/Greeks収集済み)
  • 将来の研究: 2025-12以降のデータが蓄積中
  • Crisis Alpha BT: 2022・2024-08のデータ不足で不可能

結論: ORATSのヒストリカルデータは「過去の研究」専用。 現在のライブ収集と補完関係にあり、両方あって初めて完全なCrisis Alpha研究が可能になる。


参考: 収集再開条件

2026-03-12時点の状況:

  • archive_market_data.py: 93銘柄、15分間隔でPolygon APIからライブ収集中(launchd: com.aegis.live-archiver
  • collect_eod_all.py: 710+銘柄、毎日EOD収集(launchd: com.ryo.aegis.collect_eod
  • 修正済みバグ: skip_theta_check=True → キャッシュ専用モードとなりOptions: 0件が数ヶ月続いていた。skip_theta_check=False, enable_theta=Falseに修正し、Polygon APIからのライブ取得を復旧

追加検証予定: DTE範囲の再テスト(ORATSデータ入手後)

現行Polygonデータでの暫定結論 — ORATSデータで要再検証

Ablation Phase 2 (2026-03-11) で、DTE範囲が収益に大きく影響することが判明:

DTE範囲 7年Total Wealth 25ヶ月Total 対DTE20-35比
7-21 $162.58M ※ $45.17M +50%
10-30 $123.66M $30.10M +14%
14-45 $110.75M $24.79M +2%
20-35 (旧設定) $108.33M $24.93M baseline
30-60 $81.61M $14.62M -25%

短いDTEほど高収益。現行PTはDTE 10-30に暫定変更済み。

ただし、この結論はQuantDataのCSVデータ(2019-2026)に基づくものであり、以下の懸念がある:

  1. QuantDataのDTE短期オプション品質: 短DTE(7-21日)オプションのbid/askスプレッドや流動性がデータ上どこまで反映されているか不明
  2. 2024-08暴落時の短DTEオプション: Flash Crash(VIX 65)環境での短DTEスプレッドの実態が不明
  3. DTE 7-21のnan問題: 7年BTの最終2ヶ月でequityがnanになる不安定性が発生(原因調査中)解決済み (2026-03-11): ZS.parquetのbid/ask=NaNデータがfloat(nan or 0)でスルーしていた。3層NaN防御実装後、\(154.74M → **\)162.58M** (+50% vs baseline) に修正。nan問題は解消されたが、短DTEオプションのデータ品質自体はORATSで要検証

ORATSデータ入手後に実施すべき検証:

  • ORATS bid/askデータでDTE 7-30帯のスプレッド品質を確認
  • 2022年ベア・2024-08 Flash Crash期間の短DTEオプション流動性を検証
  • ORATS IVサーフェスで短DTE帯のIV skew構造を分析
  • 上記が確認できればDTE 7-21(または7-30)への移行を実施。問題があればDTE 10-30を維持

追加検証予定: VIX Stop閾値の再検証(ORATSデータ入手後)

現行QuantDataでの結論 — ORATSデータで長期再検証が必要

2026-03-17に7年BT(2019-2026)でVIX Stop閾値のグリッドサーチを実施した結果、 VIX Stopはドローダウン防御に寄与していないことが判明。

グリッドサーチ結果(7年BT, DTE10-30, $32K)

VIX Stop Total Wealth MaxDD Trades WR
25 $97.5M 24.5% 10,016 81.2%
28 $107.0M 24.6% 11,018 81.0%
30 (現PT) $111.3M 24.6% 11,461 80.8%
33 (TWベスト) $116.8M 24.6% 11,959 80.8%
35 $115.7M 24.6% 12,148 80.3%
40 $114.8M 24.6% 12,306 79.9%
50 $114.7M 24.6% 12,458 79.7%
80 $116.4M 24.6% 12,595 79.6%
OFF (999) $116.4M 24.6% 12,603 79.6%

主な発見

  1. MaxDDが全パターンで24.5-24.6% — VIX Stopの閾値を変えてもDD防御効果が変わらない
  2. 全パターンでCOVID生存 — VIX=OFFでも破綻しない(DTE10-30の短期戦略ではポジションが自然消滅するため)
  3. VIX=30はVIX=OFFに比べて-$5.1M(-4.4%)の機会損失 — 底売りによる損失拡大
  4. COVID期間: VIX=30でeq=\(291K vs VIX=OFF eq=\)629K — VIX Stopなしの方が2倍以上のequity

暫定結論

DTE10-30の短期クレジットスプレッド戦略では、VIX Stop強制決済の防御価値がない。 ただし、この結論は2019-2026の7年データ(VIX>35イベント3回のみ)に基づくため、 ORATSの長期データで追加検証が必要。

ORATSデータ入手後に実施すべき検証:

  • VIX Stop閾値グリッドサーチを2007年〜で再実行 — GFC 2008(VIX~80)、2011 debt ceiling(VIX~48)、2015 China(VIX~40)、2018 Volmageddon(VIX~50)を追加。VIX>35イベントが3→7-8個に増え、統計的信頼性が大幅向上
  • GFC 2008級の暴落でもDTE10-30戦略が自然消滅で生存できるか確認
  • ORATS bid/askデータで高VIX環境(VIX>40)でのforce close約定価格精度を検証
  • 「新規エントリーのみブロック(既存ポジションは保持)」vs「全決済+ブロック」の分離テスト
  • 上記が確認できればVIX Stop無効化を実施。問題があればVIX=33に引き上げ

作成日: 2026-03-02 | 更新日: 2026-03-17 | 担当: Claude Code (AEGIS Research)